その「お礼」というわけではないだろうが、長女は通園用の制服に着替え、お披露目してくれた。携帯電話のカメラで撮影すると、さすが女の子、しっかりとポーズを決めていた。
お披露目が終わり、制服をたたみながら妹がつぶやいた。「制服代や体操服代、教材費に入園料。幼稚園に入るだけで8万円くらいかかったんよ」。見ると制服は有名デザイナーのもの。幼稚園とはいえ、やはり私立はお金がかかるようだ。
文部科学省の調査によると、公立幼稚園で1年間にかかる学校教育費は約13万1千円。これに対し、私立は約36万9千円と、3倍近くになる。
私立の内訳は、授業料約24万6千円▽学校納付金など約5万4千円▽通学関係費約3万9千円▽図書・学用品・実習材料費など約1万3千円−など。これに習い事や塾などの費用が約14万3千円かかるという。
教育費というと大学受験や高校の授業料の話が多くなってしまうが、幼稚園でさえ年間これだけの費用がかかってしまう。母親が働いている場合など、事情によってはやむなく私立の幼稚園や保育園に通わせるケースもあるだろうし、多くの親御さんにとって、教育費は子供が生まれた瞬間、いや、生まれる前から意識するものだろう。妹の場合、長女誕生のころから、将来に備えて長女名義の定期預金をしているという。
「子供の将来について不安を抱いている」という女性(36)も、思い悩んでいるようだ。
≪まだ幼稚園にも行かない小さな子供が2人いますが、祝日が増えて連休も多い今、私立の学校じゃないと学力に差がつくのではないでしょうか≫
一方で、2人を私立の学校に通わせることは負担なようで、こんな心境を漏らしている。
≪でも、うちの家計では私立は無理。公立に行くなら塾通いが必要になり、結局お金はかかる…。3人目を産みたいけれど、教育費を考えると難しいです≫
(真)
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